透析を受けている皆様へ 下肢閉塞性動脈硬化症について

下肢閉塞性動脈硬化症の治療

検査で下肢閉塞性動脈硬化症と診断されたら、症状と障害血管の部位や程度に合わせて、適切な治療が行われます。まず、基本的な 治療として薬物療法や運動療法を実施します。さらに症状が進んでいる場合には、身体的な負担はあるものの、直接的に血流の増加が期待できる、血管内治療や外科的治療が選択されます。

薬物療法

血液の粘りを改善してサラサラにする薬や、血管を拡げる薬などを服用します。

運動療法

一般的には歩行訓練を行います。医療機関で行ったり、医師の指導のもと、在宅で行ったりします。閉塞した動脈以外の細い血管の血流を増やしたり、新しい血管を作るなど、下肢の血流を改善させる効果があります。

血管内治療

血管の狭窄や閉塞の部位までカテーテルを挿入し、風船 (バルーン)を膨らませて広げたり、その部位にステントと呼ばれる金属製の網目状の筒を留置することにより、血管を広げて血流を回復させる治療です。 足の付け根や肘の内側に局所麻酔を行い、針をさして、そこからカテーテルを挿入します。

外科的治療(バイパス術)

血管の閉塞部位の上下に、血管(自己、人工)をつないで、新しい通り道(バイパス)を作ります。

LDLアフェレシス治療

動脈硬化の原因となるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を血液中から取り除き、さらに、血液の粘りも改善することなどにより、血管を広げ血液の流れを改善します。透析を受けている方は血液透析と同じように、シャントから血液を取り出し、専用の機械を通してLDLコレステロールなどを取り除き、その血液を身体に戻します。
治療は1週間に1〜2回、計10回程度を1連の治療として行います。

この他の補助療法として温熱療法や高気圧酸素療法など、 様々な治療があります。

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