
『透析アミロイド症(DRA)』は、透析期間が長くなるにつれて出てくる症状で、10年を超えるあたりから、この症状が出てくる人が急激に増えてきます。
骨や関節、腱などの異常から体を動かすことが不自由になったり、首や腕、脚などの感覚や運動が鈍ったりします。また、股関節での骨折の原因になることもあり、日常生活に大きな障害を来たすことがあります。さらに関節の痛みや、痛みによる睡眠障害などが出てくることで生活の質を低下させます。
1985年に新潟大学の下条先生により、この病気の発生原因は『β2-マイクログロブリン(BMG)
』と呼ばれる物質が体の中に溜まることにより起こることが発見されました。
BMGは透析を受けている人だけが特別に作られる物質ではなく、ごく一般の健康な人の体の中でも作られますが、腎臓で分解されたり尿の中に排出されたりしますので、体の中に溜まることはありません。透析を受けている場合は透析膜(ダイアライザー)によって取り除かれますが、ダイアライザー
の種類によって、その量は異なってきます。
1日のうちに体の中で作られるBMGの量は、約200〜300mgと言われており、週3回の血液透析で全てを除去することは困難です。
透析アミロイド症になってしまった場合には、状況に応じてダイアライザーの選択、血液透析
の方法(HDF
やリクセル
など)、整形外科治療や薬物治療(痛みの緩和など)など様々な方法で症状の緩和や悪化の防止を行います。