用語集
- クモ膜下出血
- 脳を保護する膜の一つであるクモ膜と脳との間に出血が起こった状態で、原因としては脳動脈瘤や脳動静脈奇形の破裂によるものが大部分です。
- MRI
- (磁気共鳴画像)一定の磁場の中に体を置くことによって核磁気共鳴現象を利用して、体の内部の状態を画像化する方法です。
- CT
- (コンピュータ断層撮影)体の断層面をX線などを使って撮影し、コンピュータで処理して体の断面を画像にして映し出す方法です。
- 開頭術
- 頭蓋骨の一部をある広さで開いて頭蓋内の手術を行う術式をいいます。
- クリッピング
- 手術顕微鏡を使用して脳の隙間から脳動脈瘤部に達し、脳動脈瘤頸部を金属製のクリップで遮断する治療法です。
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- LDL
- タンパク質と脂質が結びついたもので、肝臓でVLDLが合成され、その後エネルギー代謝などを受け最終LDLになります。細胞膜などの原料であるコレステロールを体の隅々まで運ぶ機能を果たします。動脈硬化などをひき起こす作用が強いものがLDLです。 LDLによって運ばれるコレステロールを悪玉コレステロールと言います。
- 受容体
- 細胞に存在して、物理・化学的な刺激を認識して細胞に応答を誘起する蛋白質です。
- 虚血性心疾患
- 心臓の筋肉への血液の供給が減ることや途絶えることを虚血といいます。狭心症と心筋梗塞の2つをまとめて虚血性心疾患と呼びます。
- HMG‐CoA還元酵素阻害剤
- コレステロールの約80%は、体内でつくられ、残りの20%が、食事から摂取されます。体内でつくられるコレステロールの多くは、肝臓で合成されますが、その過程で、重要な役割を果たすのが「HMG‐CoA還元酵素」です。HMG‐CoA還元酵素阻害薬は、この酵素の働きを妨げて、肝臓でコレステロールがつくられるのを抑えます。
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- リスクファクター
- ある疾患の有病率や死亡率の増加と統計的な関連を有する要因のことです。
- 潰瘍
- 体表面あるいは腔内面の一部が深部まで欠損した状態のことです。粘膜層、角膜上皮層、皮層表皮層などにみられます。
- 壊死
- 細胞や組織など、生体の一部の死、または死んだ状態のことです。
- 無侵襲の診断装置
- 診断ために、機器や器具を皮膚や身体開口部を通じて挿入する必要がない機器のことです。
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- 糸球体
- 腎動脈から枝分かれした毛細血管が絡み合って球状になったもので、血液中の老廃物や余分な水分をろ過する役割を果たします。
- ネフローゼ症候群
- 高度の蛋白尿と血液中の蛋白濃度の低下をきたす腎疾患で、浮腫や高脂血症が認められる状態を言います。
- 高脂血症
- 血液の中の脂質成分であるコレステロール、トリグリセリド、リン脂質のいずれか一つ以上が増加した状態、特にLDLコレステロール、トリグリセリドの値が高い状態を言います。
- 副腎皮質ステロイド剤
- 腎臓の上にある副腎という臓器から分泌されるホルモンを元に人工的に開発して作られた薬剤で、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫反応抑制作用及び細胞増殖抑制作用などを示します。
- 免疫抑制剤
- 免疫系の活動を抑制ないし阻害するために用いる薬で、臓器移植時の拒絶反応を抑えたり、生体反応の異常であるアレルギー反応や自己免疫疾患の治療に使用する薬剤です。
- 免疫複合体
- 抗原と抗体が結合したもので、組織に沈着し組織障害を起こすと考えられています。
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- β2-マイクログロブリン
- ほとんどの細胞の表面に存在して、1日に100~250mg程度血清中に放出される低分子蛋白です。腎不全では分解が妨げられるため、身体に蓄積され合併症(透析アミロイド症)の原因となります。
- ダイアライザー
- 腎機能が低下している場合に、腎臓機能の持つ血液中の老廃物や過剰水分の除去能を補うために用いる半透膜などからなる透析装置です。
- 血液透析
- 血液と透析液とを透析膜と呼ばれる分離膜を介して、拡散とろ過により物質交換や溶出除去を行うことです。
- HDF
- HDFとは、透析と同時に大量のろ過を行う治療で、ろ過によって失われた水分や電解質を輸液により補充します。
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- 体腔
- 体壁と内臓との間の隙間です。
- 浸出液
- 炎症等により局所の血管透過性が亢進し、毛細血管から滲み出た血漿成分からなる液のことをいいます。
- 縫合不全
- 手術の後で縫い合せたはずの消化管が破綻して中身が漏れてしまうことをいいます。
- 生体適合性
- 生体に優しく影響を与えない、また生体からも影響を受けないで良くなじむ性質のものをいいます。
- シリコーン樹脂
- 撥水性・非膠着性(タンパク質が付着しにくい)、耐薬品性などを有する生体反応が極めて少ない、柔軟な高分子材料です。
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- 脳脊髄液
- クモ膜と軟膜の間や脳室内を満たしている無色透明の液体で、脳室の脈絡叢で産生され循環し、脳脊髄の保護・栄養補給などの働きをしています。
- 水頭症
- 脳脊髄液が過剰に産生されたり、吸収が障害されたり、その循環路のどこかが閉塞され、その結果髄液が余分に溜り脳室が拡大する病気です。
- 脳室ドレーン
- 脳腫瘍、脳内出血、クモ膜下出血などで、急性期の水頭症及び脳圧亢進がみられる時、脳室に留置し髄液を排出するシリコーン製チューブです。(脳圧亢進とは何らかの脳の疾患、あるいは血腫、腫瘍などで「脳」の容積が増えたとき、頭蓋骨という閉鎖空間では圧の逃げ場がないので、中の圧力が高まることになります。この状態を頭蓋内圧亢進あるいは脳圧亢進と呼びます。)
- 脳槽ドレーン
- 脳動脈瘤破裂後に血管攣縮の予防と血性髄液の排出を目的に、脳槽に留置するシリコーン製チューブです。(脳血管攣縮とは、クモ膜下出血を起こしてから3日目から2-3週間までの間に起こる現象で、脳の血管が収縮して血液の流れが悪くなることです。攣縮とは、血管が縮んで細くなることで、スパズムとも呼ばれます。その結果、意識状態が悪くなったり、手足のマヒや言語障害が悪化したりします。)
- 腰椎ドレーン
- 頭部外傷、髄液漏、脳室内出血、クモ膜下出血の病態を改善する目的で、腰椎クモ膜下腔に留置するシリコーン製チューブです。(髄液漏とは,脳・脊髄の周囲を満たしている脳脊髄液が,硬膜に生じた欠損,裂隙を経て髄液脛外に漏出した状態を指します。)
- 硬膜外ドレーン
- 頭部外傷や開頭術後に硬膜外腔に留置し、血液や髄液を排出するシリコーン製チューブです。
- 硬膜下ドレーン
- 硬膜下血腫で硬膜下腔に留置し、血腫等を排出するためのシリコーン製チューブです。
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- 体外循環
- 人工的にポンプ等により体外へ血液を導き出し、血液回路を通して血液の操作を行い、再び体内へ血液を戻す一連の動作をいいます。
- 炎症性サイトカイン
- 生体が有害な刺激に免疫応答し、発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害などが起るのが炎症ですが、炎症そのものが障害となる場合もあります。一方、サイトカインは生体内の様々な細胞間情報伝達を担う可溶性タンパク質の総称です。炎症性サイトカインとは炎症の病態形成に関与するIL-1、IL-6、TNF-αなどのサイトカインの総称で、単球/マクロファージ系の細胞、血管内皮細胞、その他の細胞によって産生されます。
- 顆粒球
- 顆粒球はリンパ球、単球と並ぶ白血球の一つです。顆粒球は微生物感染などに対する生体防御に不可欠ですが、場合によっては著しい組織障害を引き起こすことが知られています。
- 血液レオロジー
- 血液流動性のことです。
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- カテーテル
- 医療に用いられる中空の柔らかい管のことをいいます。
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- 粥状動脈硬化
- 主にコレステロールから成る、粥状の固まり(アテローム)が動脈壁に沈着して血管を硬くしたり内腔を狭窄したりすることです。
- 冠状動脈
- 大動脈の付け根近くから伸びて枝分かれしながら心臓の表面を冠状に覆って、心筋に酸素と栄養を供給しています。
- ガイドワイヤー
- カテーテルを血管内の目的部位に誘導することを目的に使用する細い柔軟なワイヤーをいいます。
- バルーンカテーテル
- 血管などの狭窄した部位を拡張するために、バルーン(風船)が先端についているカテーテルをいいます。
- ステント
- 金属製の網状のチューブで、狭くなったり、詰まった血管を広げた後に置いて血流を確保する筒状の金属です。
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- シャント
- バイパスを作り、流れを変えることです。血液透析の場合は手術によって動脈と静脈をつなぎ、動脈から直接静脈に血液を流すことをいいます。
- 大腿動脈
- 股関節から膝までの間の部分、大腿を走行する動脈です。
- シース
- カテーテルの挿入、抜去、入れ替えなどを補助する目的で使用される管状器具です。
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